二学期に入り、志望校や塾の方針、家庭学習への関わり方について家族で話し合う機会が増える時期です。そんな中で「父親はもっと厳しくすべきと言う」「母親は本人の意思を尊重したいと言う」というように、保護者同士で意見が食い違い、どちらの言い分もわかるだけに落としどころが見えず、子どもの前で気まずい空気になってしまった――という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。受験や進路は正解が一つではないテーマだからこそ、家庭内でも意見が割れやすいものです。今回は、夫婦・保護者間の方針のズレを、対立ではなく「合意づくり」に変えていくための考え方を整理します。
なぜ夫婦で意見がすれ違うのか
父親と母親で受験に対する温度差が生まれる背景には、それぞれが育った時代の受験事情や、自分自身の学生時代の経験、普段子どもと接している時間の長さの違いなどが影響していることが多くあります。子どもの様子を日常的によく見ている側は「無理をさせたくない」という気持ちが強くなりやすく、一方で子どもと接する時間が限られている側は、数字や結果を基準に判断しがちになる傾向があります。どちらが正しい・間違っているという話ではなく、見ている情報量や立場が違うために、自然と意見が分かれてしまうのだと捉えると、感情的な対立になりにくくなります。
やるべきこと・避けたいこと
- 子どもの前で方針の違いをそのまま議論せず、話し合いは子ども抜きの場を設けて行う
- 「厳しい・甘い」という評価ではなく、「なぜそう思うのか」という理由をお互いに言語化する
- 最終的に子ども自身がどうしたいと思っているかを、両親の意見をすり合わせる前に一度きちんと聞く
- 片方の意見だけを通して、もう一方を「なかったこと」にしない
- 結論を急がず、「今回はここまで決める」「様子を見て来月また話す」など段階を区切って合意する
家庭で取り入れられる具体例
感覚的な話し合いになりやすいテーマだからこそ、少し形を決めておくと合意がしやすくなります。
- 「勉強時間」「志望校のレベル」「塾や習い事の継続」など、意見が分かれやすいテーマを事前にリストアップしておく
- 月に一度など、夫婦で子どもの学習状況について話す時間を決めておき、その場でまとめて確認する
- 塾の面談や三者面談には、できるだけ両方が同席するか、難しい場合は必ず内容を共有する
- 「譲れない部分」と「どちらでもよい部分」を事前に分けておき、すべてを一致させようとしない
- 富士見市・ふじみ野市・志木市・三芳町・川越市・朝霞など東武東上線沿線には土日に保護者面談を受け付ける学習塾もあるため、平日忙しい家庭は活用を検討してみる
ありがちな失敗パターン
よくあるのが、子どもの前で「お父さんはこう言うけど、お母さんは違うと思う」と、方針の違いをそのまま伝えてしまうケースです。子どもは板挟みになり、どちらの顔色をうかがえばよいか分からなくなってしまいます。また、話し合いを避け続けた結果、進路の締め切りが迫ってから急に対立が表面化し、限られた時間で無理に結論を出さざるを得なくなることもあります。反対に、片方が一方的に方針を決めてしまい、もう一方が「聞いていない」と後から不満を抱えるケースも少なくありません。完全に同じ意見になる必要はなく、「子どもにとって何が一番か」という軸だけは共有しておくことが、対立を防ぐ土台になります。
編集部からのメッセージ
指導の現場でも、保護者の方針が完全に一致しているご家庭はむしろ少なく、多くのご家庭が話し合いながら少しずつすり合わせています。大切なのは意見を一致させることそのものより、子どもが「両親とも自分のことを考えてくれている」と感じられる状態を保つことです。意見が違うときこそ、一度立ち止まって子ども抜きで話す時間を持っていただければと思います。
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