「頑張れとしか言ってないのに、どうして怒るの?」——受験期を経験した保護者からよく聞く言葉です。子どものことを思うほど言葉を重ね、気づけばすれ違いが積み重なっていく。受験生を持つ家庭の「言葉」にまつわる悩みは、どの家庭にも共通して存在します。
問題は「何を言うか」よりも「何が地雷になっているか」に気づけていないことです。今回は、受験生が内心で「また言ってる……」と感じている保護者のNG声かけパターンを5つ整理しました。それぞれに「代わりに使える言葉」も添えていますので、ぜひ参考にしてください。
なぜ「良かれと思った声かけ」が逆効果になるのか
受験期の子どもは、常に緊張の中にいます。模試の結果・学校の成績・志望校との距離感——頭の中で毎日そろばんをはじきながら、焦りや不安を抱えています。そこへ保護者からのひと言が加わると、子どもの受け取り方は平常時とまるで違います。
保護者としては「励まし」のつもりでも、受験生の耳には「プレッシャー」「責め」「比較」として届いてしまうことがあります。言葉の意図と受け取られ方のズレが、家庭内のすれ違いの正体です。
NG声かけ5パターンとその理由
① 「あの子(◯◯さん)は毎日5時間やってるって」
他者との比較は、意欲を高めるどころか自己肯定感を直撃します。子どもの頭に残るのは「自分はできていない」という事実だけです。勉強量・理解度・体力は子どもによって異なるため、比較そのものが意味を持ちません。「他の子ではなく、昨日の自分より進んでいるか」が本来の軸です。
→ 代わりに:「最近どの科目に集中してる?」と子ども自身の状況を起点にした問いかけをしましょう。
② 「そんな気持ちで受けて落ちても知らないよ」
不安や叱咤激励のつもりでも、「落ちる」という言葉を口にするのは禁物です。受験生が最も恐れている未来を、最も信頼しているはずの保護者の口から聞かされると、「味方がいない」と感じることがあります。モチベーションの低下だけでなく、受験前日・当日の精神的ダメージにもなりかねません。
→ 代わりに:「今できることをやれば、それで十分だよ」と現在の行動にフォーカスした声かけを。
③ 「もっと本気出せばできるのに」
一見すると期待の言葉ですが、受験生には「今の自分は本気を出していない」と受け取られます。実際にはギリギリのところで頑張っている子どもほど、この言葉が刺さります。保護者から見える「勉強していない時間」は、子どもの頭が動いている時間でもあることを忘れないでください。
→ 代わりに:「最近どんな感じ?何か詰まってるところある?」と状況をフラットに聞いてみましょう。
④ 「◯◯高校(大学)じゃないと将来困るよ」
進路に関する脅しに近い言葉です。保護者世代の経験則が根拠になっていることが多いのですが、学校の序列も就職市場も時代とともに変化しています。何より、子ども自身の「行きたい」という動機を上書きしてしまうのが最大の問題です。外部から与えた目標は、困難にぶつかったとき簡単に折れます。
→ 代わりに:「そこに行きたい理由は何だろう?一緒に考えてみようか」と子ども自身の言葉を引き出す問いを。
⑤ 「塾代がいくらかかってると思ってるの」
費用の話は保護者として正直な感情ですが、受験期に繰り返し言うと逆効果です。子どもは「お金の重さ」を負い目として背負い込み、失敗を恐れるあまり挑戦できなくなることがあります。お金の話は、学習環境を整える段階(申し込み前など)に済ませておくのが理想です。受験期に入ってからは切り離しましょう。
→ 代わりに:応援の気持ちは言葉で伝えましょう。「サポートしているよ」という一言で十分です。
声かけのタイミングも大切
言葉の内容だけでなく、タイミングも重要です。以下のような状況での声かけは、どんな内容でも受け取られにくくなります。
- 模試直後・テスト返却直後:結果を受け取った直後は感情が揺れています。まず「お疲れ」の一言を。分析の話は翌日以降に
- 勉強の集中タイム中:声をかけること自体が集中を途切れさせます。フロー状態の子どもには触れないのがベスト
- 夜遅い時間帯:疲労ピーク時のコミュニケーションは衝突が起きやすい。重要な話は夕食前後など、比較的落ち着いた時間に
- 保護者自身がイライラしているとき:感情が声のトーンに乗ります。平静でないと感じたら、その場での声かけを控えましょう
「何も言わない」が最強のこともある
富士見市・ふじみ野市・志木市・朝霞市・新座市・和光市など東武東上線沿線で受験生を指導していると、「親と話せない」という生徒の声を耳にすることがあります。家庭が重くなると、子どもは外(塾や友人)にしか本音を持ち出せなくなります。
受験期の保護者の役割は「コーチ」ではなく「安全な場所」です。声かけの量を減らし、代わりに食事を整えたり、夜中に起きていても何も言わなかったり——そういった「何もしないサポート」が子どもの精神的なベースになることは少なくありません。
「うちの子は全然話してくれない」と感じているなら、まず保護者側の言葉の量を半分にしてみてください。子どもが「ここなら話せる」と感じ始めたとき、自然と話してくれるようになります。
編集部からのメッセージ
声かけを意識しすぎると、今度は「何も言えない」と萎縮してしまう保護者の方もいます。完璧な声かけを目指す必要はありません。大切なのは「子どもの状態に関心を持ち続けること」であり、言葉はその手段に過ぎません。
NGパターンに当てはまる声かけをしてしまっても、それだけで受験が失敗するわけではありません。ただ、繰り返すことで「家に帰りたくない」「相談したくない」という空気が積み重なるのは避けたいところです。今日から一つだけ変えるとすれば、子どもへの質問を「評価や指示」から「状況を聞くもの」に変えてみてください。「どこ受けるの?」よりも「最近どんな問題が難しかった?」のほうが、子どもは話しやすくなります。
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