高校2年の古典(古典文法・古文)では、1学期に助動詞の基礎を学んだあと、2学期に入ると「敬語」が本格的な単元として登場する学校が多く見られます。古文の敬語は、尊敬語・謙譲語・丁寧語という3種類の使い分けに加え、誰から誰への敬意なのか(敬意の方向)を読み取る必要があり、現代語の敬語感覚だけでは対応できません。単語ごとに丸暗記しようとすると量が多く挫折しやすい一方、敬語の種類と敬意の方向を正しく押さえれば、古文の登場人物の身分関係や心情を読み取る大きな手がかりになります。大学入学共通テストの古文でも、敬語表現から主語を判断する設問は頻出であり、2学期のうちに仕組みを理解しておくことが、高3での古文読解の得点力に直結します。
なぜ「古文の敬語」でつまずきやすいのか
つまずきの原因は主に3つあります。1つ目は、尊敬語・謙譲語・丁寧語という3分類そのものは知っていても、個々の単語(給ふ、奉る、侍りなど)がどの分類に属するかを覚えきれていない点です。2つ目は、現代語の敬語は「話し手が誰に敬意を払うか」だけを意識すればよいのに対し、古文の敬語は「地の文か会話文か」によって敬意の主体が変わるため、判断の手順が複雑になる点です。3つ目は、敬語の種類から動作主(主語)や動作の相手(目的語)を推測する読解問題に慣れておらず、単語の意味は分かっても文全体の人間関係を読み取れない点です。中学国語ではここまで踏み込んだ敬語学習をしないため、高校で初めて体系的に学ぶ単元だからこそ、最初の理解でつまずきやすくなります。
古文敬語学習で押さえるべきポイント
- 3種類の敬語の役割:尊敬語は動作をする人(主語)への敬意、謙譲語は動作を受ける人(相手)への敬意、丁寧語は読み手・聞き手への敬意を表すという基本の役割分担を押さえる
- 代表的な尊敬語:「給ふ」「おはします」「のたまふ」など、動作主が高い身分の人物であることを示す単語を優先して覚える
- 代表的な謙譲語:「奉る」「参る」「聞こゆ」など、動作の相手を敬う単語を、尊敬語と混同しないよう対で整理する
- 丁寧語の役割:「侍り」「候ふ」は読者・聞き手への敬意を表すため、地の文にあれば「語り手が読者に敬意を払っている」ことを示すサインになる
- 地の文と会話文の違い:地の文の敬語は作者から登場人物への敬意、会話文の敬語は話者から相手への敬意というように、敬意の主体が変わる点を区別する
- 敬語から主語を推測する読み方:敬語の種類と敬意の高さの組み合わせから、動作主が誰かを絞り込む練習を通じて読解力を高める
自宅学習の具体的な手順・チェックリスト
古文の敬語は、単語を個別に覚えるより「尊敬・謙譲・丁寧」の枠組みに沿って整理すると定着しやすくなります。以下の順番で自宅学習を進めましょう。
| ステップ | やること | チェックポイント |
|---|---|---|
| 1. 3分類の一覧表を作る | 教科書に出てきた敬語の単語を「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3列に分けて自分で表にまとめる | 意味だけでなく、誰への敬意かも書き添えているか |
| 2. 現代語訳とセットで覚える | 「給ふ=お〜になる」「奉る=差し上げる」のように、現代語訳とセットで単語カードを作る | 尊敬語と謙譲語で訳し方が逆にならないか確認する |
| 3. 地の文・会話文の判別練習 | 教科書本文で敬語が使われている箇所に印をつけ、地の文か会話文かを区別する | 敬意の主体(誰から誰へ)を毎回説明できるか |
| 4. 主語推測の練習問題 | 問題集の古文で、敬語の種類から主語が誰かを推測する設問を解く | 敬語のヒントだけで主語を絞り込めているか |
| 5. 週末に横断復習 | その週に学んだ敬語の単語を1枚の一覧表で見直し、抜けている単語をチェックする | 尊敬語と謙譲語を混同したまま覚えていないか |
陥りやすい失敗パターンとリカバリー方法
| 失敗パターン | リカバリー方法 |
|---|---|
| 尊敬語と謙譲語を逆に覚えてしまい、動作主と動作の相手を取り違える | 単語を覚え直す前に「誰への敬意か」を必ず日本語で言い添える習慣に戻し、対で整理し直す |
| 丁寧語の役割を軽視し、地の文の「侍り」「候ふ」を読み飛ばしてしまう | 丁寧語が出てきたら「語り手・作者から読者への敬意」であることを毎回声に出して確認する |
| 敬語の種類は分かっても、文中の主語を推測する読解問題で活用できない | 単語学習と並行して、敬語を手がかりに主語を推測する問題を少量ずつ継続して解く |
| 現代語の敬語感覚に引きずられ、地の文と会話文で敬意の主体が変わることを見落とす | 本文を読むときに地の文と会話文の境目に印をつけ、敬語の主体が切り替わる箇所を意識して読む |
編集部からのメッセージ
古文の敬語は、単語の意味だけでなく「誰から誰への敬意か」という人間関係の読み取りとセットで身につく単元です。丸暗記に頼らず、尊敬語・謙譲語・丁寧語の役割を整理してから単語を覚えることで、敬語が古文読解の強力な手がかりに変わっていきます。共通テストの古文でも敬語から主語を推測する設問は繰り返し出題されるため、高2の2学期のうちに枠組みを固めておくと、高3での古文演習がぐっと楽になります。地道な積み重ねを大切にしていきましょう。
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