「やっぱり志望校、変えたいんだけど」。10月も下旬、模試や学校説明会が重なるこの時期に、お子さんからこんな一言が出て、思わず言葉に詰まった保護者の方もいるのではないでしょうか。東上線沿線のご家庭でも、秋は志望校への気持ちが揺れやすい季節です。
実は、秋に志望校の気持ちが動くこと自体は、決して珍しいことではありません。大切なのは、その一言の裏にある気持ちを、まず受け止めることです。
「変えたい」の裏にある、4つの気持ち
同じ「変えたい」でも、中身は子どもによってまったく違います。
- 自信がなくなった:模試の結果が続けて振るわず、「どうせ無理」と感じている
- 行きたい気持ちが変わった:説明会や文化祭で、別の学校に惹かれた
- プレッシャーから逃げたい:周囲の期待が重く、楽になりたい
- 友達や先輩の影響:仲のいい友達と同じ学校に行きたくなった
前向きな変更なのか、不安からの退避なのかで、家庭でのかかわり方は変わります。ここを見極めずに結論を急ぐのが、いちばんの落とし穴です。
まずやるべきこと:結論を出さず、理由を聴く
- 「どうして?」と詰めず、「そう思ったきっかけを教えてくれる?」と聞く
- 最初の反応は「そうなんだ、話してくれてありがとう」にとどめる
- その場で賛成も反対もせず、「少し一緒に整理しよう」と時間を置く
- 保護者自身の理想や世間体は、いったん脇に置く
子どもは、否定されずに最後まで話せた経験があると、自分の気持ちを冷静に見直しやすくなります。
家庭で取り入れたい、整理の3ステップ
- ① 紙に書き出す:「今の志望校の良いところ・不安」「変えたい学校の良いところ・不安」を親子で並べて書く
- ② 事実を集める:学校説明会、個別相談、公式サイトなど一次情報で確認する。入試の仕組みや募集要項は年度で変わるため、最新情報は埼玉県教育委員会や各校の公式発表でご確認ください
- ③ 期限を決める:「次の模試の結果が出るまで」など、見直す区切りを一緒に決める
模試の判定は、あくまで現時点の目安です。北辰テストの偏差値なども、一回の結果だけで判断せず、複数回の推移や得点の中身(どの分野で失点したか)とあわせて見ると、冷静に考えやすくなります。私立高校の個別相談は、保護者とお子さんが直接足を運んで確認するのが基本です。
ありがちな失敗パターン
- 「ここまで頑張ったのに」と、これまでの努力を理由に引き止める
- 逆に「無理ならやめれば」と、あっさり受け入れてしまう(本音を聴く機会を逃す)
- 兄姉や近所の子など、他の家庭の事例と比べて話す
- 本人抜きで保護者だけが結論を出す
- 変更後の学校について、噂や古い情報だけで判断する
特に「本人抜きの結論」は、あとから「自分で決めた」という納得感を損ないやすくなります。
変えるにしても、変えないにしても
- 変える場合:理由を言葉にできていれば、新しい目標にも前向きに取り組みやすくなります
- 変えない場合:「不安を口にしてもいい」と思えることが、残りの期間の支えになります
- どちらの場合も、「最終的には本人が納得して選ぶ」ことを大切にします
編集部からのメッセージ
塾の現場でも、秋に志望校の相談を受けることは多くあります。面白いことに、「変えたい」と口にした子ほど、時間をかけて整理した結果、元の志望校に改めて向き合う決意を固めるケースも少なくありません。一方で、気持ちを整理したうえで進路を見直し、すっきりした表情で勉強に戻る子もいます。
どちらにしても、あの一言は「相談できる相手として、あなたを信頼している」というサインでもあります。正解を急がず、「一緒に考えるよ」と伝えてあげてください。
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