「同じクラスの○○くんは数学が得意らしいのに、うちの子は……」「お隣の△△ちゃんは塾なしで成績上位って聞いて、なんか焦ってしまって」
そんな言葉が口をついて出てくることはありませんか。6月は多くの中学・高校で期末テストが近づく時期。テスト範囲の発表や模試の結果が続くなかで、わが子の成績と周りの子を無意識に比べてしまう保護者が増えるのも、この季節の特徴です。
志木市・ふじみ野市・富士見市・川越市などの東武東上線沿線エリアで学ぶ子どもたちを見ていると、「比べられた言葉」が原因でモチベーションを落とすケースは決して珍しくありません。今回は「比べてしまう」保護者の気持ちを否定せず、その影響と、より効果的な関わり方をお伝えします。
なぜ「比べてしまう」のか——保護者自身への理解
まず大前提として、わが子と他の子を比べてしまうこと自体は、保護者として「当然の感情」です。子どもへの期待があるからこそ、他と比べて不安になる。それ自体は愛情の裏返しです。
ただ、その不安が「比較する言葉」として子どもに向かうとき、意図とは逆の効果が生まれます。比べてしまう背景には、主に以下のような心理があります。
- 「このままで大丈夫か」という不安——進路や将来が見えないほど、周囲との差が気になります。
- 「自分の育て方は正しかったか」という自己評価——子どもの成績が保護者自身の評価と結びついていると、他の子の結果が脅威に感じられます。
- 保護者同士の情報交換のプレッシャー——保護者会や学校のグループLINEで飛び交う情報が、比較の材料になることがあります。
この「なぜ比べてしまうのか」を自分でわかっておくだけで、言葉を口にする前にひと呼吸置けるようになります。
「比べる言葉」が子どもに与える影響
「○○くんは自分で計画立てて勉強してるらしいよ」「△△ちゃんの学校の順位、すごく上がったって聞いた」——善意のつもりでも、子どもにとってこれらの言葉はどう聞こえているでしょうか。
- 「自分はダメな子だ」という自己評価の低下——他者と比べられた言葉は、努力ではなく「自分そのもの」を否定されたように受け取られます。
- 勉強の意欲が「恐怖」に変わる——「また比べられたくない」という防衛本能が働き、結果を怖れてチャレンジしなくなります。
- 親への報告を避けるようになる——テストの結果を隠したり、成績の話題を親と避けるようになるのは、比較のプレッシャーが原因であることが多いです。
- 競争相手への嫌悪感が生まれる——比べられた子(友人や同級生)のことを憎らしく感じるなど、人間関係にも悪影響が出ることがあります。
「発破をかけたかっただけなのに」という保護者の意図とは裏腹に、子どもの内側では大きな傷になっていることがあります。
比べてしまいそうになったときにできること
「比べない」と決意するより、「比べてしまいそうになったとき、どうするか」を事前に考えておくほうが現実的です。以下のアプローチを参考にしてみてください。
- 「過去のわが子」と比べる——他の子ではなく、1ヶ月前・3ヶ月前のわが子の様子と比べましょう。「先月より英単語の覚えが速くなった」「前より机に向かう時間が増えた」という変化に目を向けると、プロセスの成長が見えてきます。
- SNS・保護者グループの情報との距離を置く——他の家庭の「成功話」が集まるグループLINEや保護者会後の雑談は、不必要な比較を生みやすいです。情報を遮断するのではなく、「あくまで他の家庭の話」と意識的に切り離す練習をしましょう。
- 「うちの子に合った基準」を言語化しておく——「偏差値が何点以上」という外部基準ではなく、「この子が楽しんで学べているか」「少しでも本人が成長を感じているか」という内部基準を家族で話し合っておくと、比較する必要性が薄れます。
「比べる言葉」の代わりに使いたい声かけ
「比べる言葉をやめる」と決めても、何を言えばいいかわからなくなる保護者は多いです。以下に、比較表現の代替例をまとめました(あくまで目安です。お子さんの性格や関係性に合わせてアレンジしてください)。
- ❌「○○くんはもう終わったって言ってたよ」→ ✅「今の進み具合、自分ではどう感じてる?」
- ❌「あの子は塾行ってないのに成績いいらしい」→ ✅「最近、自分でうまくいったと思う勉強法ってある?」
- ❌「クラスの平均より下だったね」→ ✅「前回と比べてどの教科が上がった?下がった?」
- ❌「もっとがんばれる子でしょ」→ ✅「今週、自分なりによく頑張れたと思う部分はどこ?」
いずれも「評価するのは親ではなく子ども自身」という姿勢がポイントです。子どもが自分で振り返る言葉を引き出すことで、自己評価の軸が育ちます。
保護者が「比べる罠」に落ちやすい時期
6月〜7月は、期末テスト・通知表・三者面談が重なる「保護者が情報過多になりやすい時期」です。富士見市や志木市、朝霞市周辺の中学・高校でも、この時期の保護者会で聞いた話が家庭内のプレッシャーを高めてしまうことは少なくありません。
意識しておきたいのは、「保護者会で耳にした情報は、一側面にすぎない」ということです。「○○さんの子が志望校に受かった」「△△くんが塾を変えて成績が上がった」という話は、その家庭の一つの結果であり、わが子とは条件も経緯も違います。
三者面談では学校の先生からわが子についての率直なフィードバックが得られます。比較情報の多い環境の中でも、「うちの子のことだけに集中する時間」を意識的に確保してください。
編集部からのメッセージ
「他の子と比べない」というのは、精神論ではなく技術です。どれだけ意識していても、比べてしまう瞬間はあります。大切なのは「比べてしまった」と気づいたあとに、わが子の話を聞く時間を少しとること。
「最近どう?」「今週は何が難しかった?」——こういったシンプルな問いかけが、比較の連鎖をリセットするいちばんの方法です。周りの情報が多い時期だからこそ、ぜひ「わが子との対話」に戻るきっかけにしてみてください。
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