6月に入り、定期テストも一段落した頃、「なんとなく成績が上がらない」「毎日勉強しているはずなのに結果が出てこない」と感じる保護者の方がいます。特に中3・高3の夏前は、受験に向けて本格的に勉強を始めた割に模試の点数が伸びず、子どもも保護者も焦りを感じやすい時期です。
富士見市・ふじみ野市・志木市・朝霞市・川越市など東武東上線沿線の中学・高校では、夏休み前の6〜7月に校内実力テストや市内模試が実施されることもあり、他の生徒と結果が比較されやすい構造があります。「うちの子だけ止まっているのでは」という焦りが出やすいのは、この時期ならではです。今回は、受験生のスランプ期に保護者がどう関わるか——すべきでないことと、静かにできることを整理します。
「踊り場」はほぼすべての受験生に訪れる
まず知っておきたいのは、夏前の「伸び悩み」は多くの受験生が経験する自然な現象だということです。理由は主に3つあります。
- 試験範囲の広がり——入試に必要な範囲が広がるにつれ、既習内容の「定着」に時間がかかります。暗記した気になっていても実際には定着しておらず、テストで点数に結びつかない時期が生じます。
- 勉強の質的な変化——解ける問題から解けない問題へ取り組むため、一見「進んでいない」ように見えても内容は深化しています。スコアには出にくいが力はついている、という状態です。
- 精神的な揺れ——中3は部活の引退や進路選択のストレスが重なります。高3は大学受験の現実が近づいてくる緊張感の中にいます。体は疲れているのに焦りが積み重なる時期です。
この「踊り場」は、次の伸びへの助走期間です。「スランプの後に夏で大きく伸びる」というケースは、教育現場ではよく見られます。
保護者が陥りやすい「焦りのNG行動」4パターン
保護者が焦るのは自然なことです。ただ、その焦りが行動に出ると逆効果になることがあります。
- 「このままだとまずい」と本人の前で言う——子ども自身もすでに同じ不安を抱えています。保護者の一言がトリガーになって自己否定が強まり、かえって手が止まるケースがあります。
- 塾・教材・勉強法を急に変えようとする——スランプ中に「やり方を変えよう」とすると混乱が生じます。一つの方法が定着する前にまた変わる、という悪循環に陥りやすいです。
- 他の子と比べる——「○○さんはもう模試でA判定らしい」「△△中の子たちはもっとやっているって」という情報は、子どもを焦らせるだけで建設的な行動につながりません。
- 毎日進捗を詰問する——「今日何時間やった?」「今日どの単元やった?」と毎日確認が続くと、子どもは「親に報告するために勉強する」状態になり、本来の目的を見失います。
スランプ期に保護者ができること——「普通の日常」を守る
保護者ができる最も大切なことは「普通の日常を守る」ことです。受験モードで家の雰囲気が張り詰めると、子どもの逃げ場がなくなります。
- 食事・睡眠・雑談を絶やさない——夕食の場でのちょっとした他愛のない話、受験と関係のない話ができる時間が子どもにとっての「安全基地」になります。
- 「最近どう?」の重心を変える——「何点とった?」ではなく「最近勉強で面白いと思ったこと、あった?」「今どのあたりをやってるの?」という問いかけはプロセスへの関心を示します。子どもは「結果だけで見られていない」と感じられます。
- 長期的な視点を短い言葉で伝える——「夏に伸びる時期が来るから、今は土台を固めるとき」「あなたのことを信頼している」と短く伝えるだけで精神的な安定につながります。過度な激励はプレッシャーになるため、「一言だけ」が原則です。
- 体を動かす機会を作る——適度な運動が気分転換に有効です。一緒に近所を散歩する、買い物に誘うなど、無理なく外に出られる機会を意識的に設けてみてください(目安:週2〜3回、30分程度)。
「本当に心配が必要なサイン」を見逃さない
スランプは一時的なものですが、以下のような状態が2週間以上続く場合は、単なる伸び悩みではなく深刻なサインの可能性があります。
- 食欲が落ちた・眠れないと訴える・体重の変化がある
- 「どうせ無理」「受験やめたい」という言葉が繰り返し出る
- 勉強しようとしても何をすればいいか全くわからない(混乱・思考停止の状態)
- 表情が乏しい、ふさぎ込む時間が日に日に長くなっている
このようなサインが続く場合は、担任の先生やスクールカウンセラー、市の教育相談窓口への相談を検討してください。富士見市・ふじみ野市・志木市・朝霞市・和光市などでは無料の教育相談を設けている場合があります。「気のせいかな」と思いながらも気になるときは、早めに相談することをためらわないでください。
編集部からのメッセージ
スランプは「止まっている」のではなく「次の段階に移行しようとしている」サインであることがほとんどです。
保護者がその時期に焦りを見せずにいることは、子どもにとって大きな支えになります。「成績が上がらなくても、お前のことを信じている」——そのメッセージを言葉や態度で静かに伝えること。それは、どんな勉強法のアドバイスよりも子どもの力になることがあります。
夏本番を前に、保護者自身も「焦らない姿勢」を意識してみてください。お子さんが自分のペースで踏み出せる夏になるよう、一緒に応援しています。
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