通知表・テスト返却で子どもの自己肯定感を下げない伝え方——6月・7月の成績シーズンに保護者が意識したいこと

「思ったより点数が低くて、どう声をかければいいかわからなかった」「通知表を見て思わずため息をついてしまった」——6月・7月の期末テストや通知表のシーズン、こんな経験をした保護者の方は少なくないはずです。

富士見市・ふじみ野市・志木市・朝霞市・川越市など東武東上線沿線の中学校・高校では、6月下旬〜7月上旬にかけて期末テストが集中し、その後すぐに通知表が配布されます。子どもにとっては1年で最もプレッシャーのかかる時期のひとつ。このシーズンの保護者の言葉が、子どもの自己肯定感に大きな影響を与えると言われています。

今回は、テスト・通知表の結果を子どもに「正しく」受け取らせるために、保護者が意識しておきたい伝え方のポイントを整理します。

なぜ「伝え方」が自己肯定感に直結するのか

自己肯定感とは、「自分はここにいていい」「自分には価値がある」という感覚のことです。テストの点数や通知表の評価はあくまで一側面ですが、保護者の反応によって子どもはその結果を「自分の存在価値の証拠」として受け取ってしまうことがあります。

特に中学生・高校生の時期は、親の評価に対する感受性が高い時期でもあります。「点数が悪い→親ががっかりする→自分はダメだ」という連鎖が繰り返されると、結果と関係なく「どうせ頑張っても意味がない」という無力感につながりやすくなります。

逆に言えば、保護者の言葉ひとつで「次は頑張ってみよう」という気持ちを引き出すこともできます。

やりがちだけど避けたい「NG反応」パターン

悪意はないのに、子どもの意欲を削いでしまう反応があります。以下は特によく見られるパターンです(目安として参照ください。お子さんの性格に合わせてご判断ください)。

  • 結果だけを見て感情的に反応する——「えっ、こんな点数だったの?」とがっかりした様子を見せると、子どもは「点数=親の愛情の量」と感じてしまいます。まず受け取ってから言葉を選びましょう。
  • 兄弟・友人・クラスメートと比較する——「お兄ちゃんのときはもっとよかったのに」「○○ちゃんは何点だったの?」という言葉は、子どもの自尊心を傷つけるだけでなく、比較することで学習意欲を外部評価に依存させてしまいます。
  • 過去の失敗を蒸し返す——「前回も同じ単元でつまずいてたじゃない」と言いたくなる気持ちはわかりますが、過去の失敗と結びつけることで「自分はずっとダメだ」という自己イメージが強化されます。
  • すぐに「次はどうするの?」と詰める——結果を受け取ったばかりのタイミングで対策を迫られると、子どもは反省よりもプレッシャーを感じます。まず共感・受容してから、次のステップへ。

自己肯定感を下げない「3段階の伝え方」

結果を受け取るときの言葉かけは、大きく3つのステップで考えると整理しやすくなります。

  • ① 受け取る(評価より事実として)——まず「見せてくれてありがとう」「持って帰ってきてくれたね」と、結果を持ち帰る行為そのものを受け取ります。良し悪しのジャッジを最初に入れないことが大切です。
  • ② 労う(過程に注目する)——「今回、期末テストの準備どうだった?」「勉強大変だったんじゃない?」と、結果ではなく取り組みに焦点を当てます。点数が思わしくなくても、何かしら努力したプロセスはあるはずです。
  • ③ 一緒に考える(解決策は子どもと共有する)——「この教科、何がむずかしかった?」「次の学期、どこから始める?」と、親が答えを持ち込まず、子どもが自分で考えられる問いを立てます。自分で決めた目標には、自分で取り組む力が生まれます。

この順番を意識するだけで、帰宅後の会話の質が変わってきます。

具体的な言い換え例:NG → OK

同じ気持ちを持っていても、言葉の選び方で受け取り方は変わります。以下はよくある場面の言い換え例です。

  • ❌「数学、また悪かったの?」→ ✅「数学、どのあたりが難しかった?」
  • ❌「もっとやれたんじゃないの」→ ✅「今回、自分なりに頑張ったと思う?」
  • ❌「この成績じゃ志望校は厳しいよ」→ ✅「今の状況をどう見てる?一緒に考えようか」
  • ❌(通知表を見てため息)→ ✅「ありがとう、ちょっと一緒に見てもいい?」
  • ❌「友達は何点だった?」→ ✅「今回自分的には手応えあった?」

特に大切なのは、「結果より過程」「他者比較より自己比較」の視点を言葉に乗せることです。「前回の自分と比べてどうだった?」という問いは、外部評価ではなく自分自身の成長を軸に考える習慣につながります。

成績が「良かったとき」の伝え方も要注意

自己肯定感の話では「悪かったとき」に注目しがちですが、実は「良かったとき」の伝え方も重要です。

「すごい!天才だね」「やっぱりあなたは頭がいい」のように、結果を才能に結びつける言葉は、一見ポジティブに見えますが、次に成績が下がったとき「自分は頭がよくなかった」という落差を生んでしまいます。

代わりに「よく粘って取り組んでたね」「あの単元、ちゃんとやり直してたのが活きたね」と、努力や具体的な行動に対して言葉をかけることで、「やれば伸びる」という成長マインドが育まれます。これは心理学でいう「成長型マインドセット」の考え方と一致しています。

編集部からのメッセージ

6月・7月の成績シーズンは、子どもが最も自分の「学力」を意識する時期でもあります。この時期に親がどう関わるかが、2学期以降の学習姿勢に大きく影響します。

大切なのは、保護者が「結果の評価者」ではなく「成長の伴走者」として関わることです。完璧な言葉かけができなくても構いません。「今回どうだった?一緒に見せて」というひとことで、子どもとの対話のドアを開けることができます。

通知表や答案用紙は情報のひとつに過ぎません。それを武器にするのではなく、子どもを理解するための素材として使うこと——それが、長期的に子どもの力を伸ばす関わり方です。

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